UK Hardcoreのジャンル名変えたい概論

    • 緒言

突然ですが世の中には2種類の人間が存在します。それは、

湯婆婆並の強引さで現在UK Hardcoreと呼ばれているものを別のジャンル名に変えたいUK Hardcore湯婆婆主義

うるせえ俺が作ってるこの曲はUK Hardcoreなんだと永遠にUK Hardcoreを作り続けるUK Hardcore製造マシーンです。




要は2000年前後に発祥したUK Hardcoreが十数年の時の流れで大分使われる手法が変わってきたし、そもそもイギリス人以外もいっぱい曲作る人が増えたのにUKってついてるのどうなのってことでそろそろジャンル名変えて区別したいねって話です。

・どの位手法が変わったの?
初期の頃のUK Hardcore

最近のUK Hardcore

このように初期のUK Hardcoreはトランスを意識しているのが特徴なのですが、最近はEDMを取り込もうとした結果EDMと一言に言っても大量にサブジャンルが存在しているのを各アーティストが好き放題に取り込んでさあ大変って感じになってきたのが現状っぽいです。最早BPM170でキックが等間隔で鳴ってるぐらいしか共通点が見つからないのでヤバい


    • 自己紹介とBassline Hardcoreについて

という訳で初めましての方は初めまして、NA7と申します。一時期ツイッターでBassline HardcoreというUK Hardcoreのサブジャンルを布教しようとしてた経歴があるんですけども、定着することもなく悲しいねって記事を書こうとしたらそこまで書くことがなくて更に悲しくなったので他のジャンル名提唱も盛り込むか!って感じで書いていこうと思います。

皆さんはBassline Hardcoreというジャンルをご存知でしょうか?Bassline Hardcoreとは2011年頃にSynagiさんという日本のハードコアメイカーの方が提唱したジャンルで、Dubcoreなどの低音バキバキ!ブワ~~!!かっちょえ~~~!な感じのハードコアを指します。

僕もこのスタイルに惹かれてBassline Hardcoreを作ったりツイッターでオススメの曲を垂れ流したりしていたのですが、海外アーティストが同じようなスタイルをUK Hardcoreと言い張ってリリースするので結局それUK Hardcoreでエエやんって雰囲気をヒシヒシと感じております。

・・・と思いきやGettyさんというもう一人のハードコアメイカーがめちゃくちゃ布教に寄与したおかげで一応Soundcloudの方ではサブジャンルとしてBassline Hardcoreを設定していることがちょいちょい増えてきたので意外と名前は広まっているみたいです。

↑のサブジャンル欄

すごい。Gettyさん様々や。でもSoundcloudはジャンル検索してもサブジャンルは検索結果から弾かれるしそもそもSoundcloudのジャンル検索自体ソートできないので新曲発掘が困難だしマジでSoundcloudそこら辺なんとかしてくれや。

・どうなのBassline Hardcore
という訳で僕自身結構Bassline Hardcoreを盛り上げようと騒いできたつもりなんですが大して広まってなさそうでした。やはり個人個人が頑張ってもジャンルの布教というものは厳しいみたいですね。
でもそれをトップアーティストがやったら・・・?


    • ハードコア界の黒船Hardcore Rave

という訳で出てきたのがこのジャンル。2013年にGammerという文字通りUK Hardcoreのテッペン取ってると言っても過言ではない男が新ジャンルHardcore Raveを提唱してきました。

もちろんUK Hardcoreのテッペン取ってる男なのでUK Hardcore界隈では大流行、特に2曲目のStay Youngはめちゃくちゃクラブで流されてついにはStay Youngじゃんけんという謎の文化まで生まれました。(上のリンクの1:51辺りでじゃんけんして勝った人がその後踊るらしい(?)、筆者はやったことなし)

やはりGammerの影響というものは絶大で、クラブミュージックのジャンルの宝庫と言われているBeatmania IIDXという音ゲーにもHardcore Raveが収録されています。

・どうなのHardcore Rave

このようにして広まったHardcore Rave、流行した曲もあるしBeatmaniaにも収録されたし大流行り間違いなしや!と思いきやある問題を抱えていました。

・・・このジャンル、定義はなんなの?

どうもEDMに影響を受けているUK Hardcoreの総称にしたいのかな・・・?という受け取り方をしているのですが、明確なジャンルの定義を多分誰一人として知らない気がします(Wikiもないし)。僕もHardcore Raveを知った初期はRave(UK Hardcoreの前身であるHappy Hardcore Oldschoolを中心とした文化)の影響を受けたジャンルなのかなって思ってました。ややこしや~~~

結局UK HardcoreだしUK Hardcoreとして流行った流れをジャンルの名称言い換えただけなのでHardcore Rave作りました!つってもUK Hardcore作ったんだねって受け取られそうだし僕はHardcore Raveを作りました!って言うことは無さそうです。

この問題、実はBassline Hardcoreにも当てはまって低音がバリバリ出てるHardcoreという定義はあるんですけど結局は人それぞれ感性が違うので明確な定義として成り立ってないのです。悲しかな。


    • Harder Dance Music

この新ジャンルが出てきたのは2017年。生まれたてホヤホヤ。現在Lethal Theoryというレーベルが普及を推し進めています。
このジャンルのいいところは出自が明確なのでブログとかでまとめやすいことです。

このジャンルは生まれたてホヤホヤなのでまだこれからが期待されるジャンルなのですが個人的にはちょっと疑問点が存在します。

・どうなのHarder Dance Music

このジャンル名、実はハードダンス系のジャンルHard Dance Musicと略称のHDMが被ってます。上で紹介したHarder Dance Musicもジャンル名が略称のHDMなので最早被せに来てます。

一応補足しておくと最近のUK HardcoreはHard Dance系の雰囲気に寄せる曲が増えてきてBPMも170ではなく160のものが増えてきています(Hard Dance類は大体BPM140~150)。なので早めにHard Dance類に吸収されておこうぜ!って動きかもしれませんね。
ところが、Hard Dance類もUK Hardcoreと同じくEDMに影響を受けた結果Hard Danceと一言に言ってもこれ本当に同じジャンルの曲か!?みたいなのがいっぱい存在します(ただしUK Hardcoreよりはサブジャンルが充実してる)。どこも一緒かよ

・・・UK Hardcoreが混沌としてるから区別しようぜっていうのが主なジャンル提唱の理由だと思うんですけど更に喧嘩売りに行ってどうすんねんというのが筆者の気持ちです。

・追記
リレクトさんやM-Projectさんの話によるとHDMの影響を受けたという形ではなく、マーケティングの結果HDMを名乗っているとのことでした。筆者とは根本的にジャンル名を変更したい原理が異なったのでこのような意見の相違が起こってしまったみたいです。


    • 何故か上手くいった事例J-coreからUK Hardcoreのジャンル区別が上手くいかない理由を考える

今まで散々新興ジャンルに疑問点をぶつけてきたのですが、成功例もあります。それがJ-coreです。詳しく話すと長くなるので気になる人はこっちのブログをお勧めします。

DJ TECHNORCH – J-CORE文化大革命 “虐殺完了”
http://data.technorch.com/data/page/gbn633/gbn633.html

要はアニメソングをサンプリングしてハードコアを作っていたけど段々アニメソングをサンプリングせずにハードコアを作るようになってきたのが現在のJ-coreで、アニソンっぽいコード進行やメロディが特徴のハードコアとなっています(広義では日本人らしいハードコア)。

これだけ見るとHardcore Raveが抱えていたジャンル定義あやふや問題がこのJ-coreにもあるように思いますが、J-coreにはある強みがありました。

「J-coreを聴くor作る人間はアニメを日頃から観ているようなオタクしかいない」

つまり、全員がアニソンの定義というのを共有できているし、アニソンをサンプリングした曲はアニソンを分かっている人間によって面白さが共有されていたのでアニソンっぽいハードコアというのもみんな理解できていたのです。

そこでこの強みをUK Hardcoreに当てはめてみるとこうなります。

「UK Hardcoreを聴いてきた人間が新ジャンルを聴いてもUK Hardcoreと認識するので新ジャンルが広まらない」

思い返せば新興ジャンルというものは元々存在した手法に新たな手法を加えることで発展してきました。
Hip-hopに使う音を現代化(EDM化)したことで生まれたTrap
Jersey Clubや原宿系と呼ばれる手法を加えたFuture BassことKawaii Future Bass

このように新たな手法が加わって独自の世界観が生まれることによって新たなジャンルが形成されていったのですが、UK Hardcoreは鰻屋の秘伝のタレが如く元の雰囲気を残しつつも新たな要素を取り入れたことでジャンル名を変えるタイミングを失ってしまったのです。
しかも秘伝のタレ方式によってどんなジャンルを吸収してもUK Hardcoreとして受け入れられる土壌が完成しているのでUK Hardcoreの名はこれからも語り継がれそうです。南無

    • まとめ

強引なジャンル提唱は文化が形成されているほど上手くいかない
新たなジャンルは新たな手法を加える時に一気に提唱を進めよう

ご清聴ありがとうございました。

・追記(1/21)
公共の場に相応しくない文面があるという指摘を受け、一部内容を変更しました。その他に修正してほしい点などあれば気軽にお申し付けください。